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吉井 文男
高分子ゲルの最新動向, p.150 - 163, 2004/00
高分子ゲル最新動向の本出版依頼があり、放射線合成ハイドロゲルの応用について執筆を担当した。ハイドロゲルについて、水溶性の合成系ポリマーと天然ポリマーについて放射線合成法とそれの応用について述べた。合成系では、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコールの固体,水溶液及び溶融照射の橋かけ挙動を比較し、橋かけに有利な水溶液照射を利用して、傷口に貼り治癒を促進し、はがす時に痛みを与えない創傷被覆材について解説した。天然ポリマーのハイドロゲルについては、多糖類誘導体のカルボキシメチルセルロースやカルボキシメチルデンプンが水をよく混合し、濃度10%以上の糊(ペースト)状で照射を行うと橋かけ反応が起き、ハイドロゲルになる。橋かけには、ペーストの濃度やカルボキシメチル基の置換度に著しく影響され、両因子とも大きいほど橋かけに有利である。応用としては、ペースト試料を波形マットに注入し、照射したマットは保温性がよく、体圧分散が生じるため床ずれが防止できる。